マーク一家の裏話(無責任言いたい放題!)第24弾!

                 <2009年夏 モルディブ・リーティ・ビーチ編>

                                         
                       今回は、「シュノーケリング中の潜水事故レポート」編です。


               <  8月23日 (土) PM : 天気 晴れ一時雨 : 場所 ハニファルベイ  > 
            

                  これは私達の帰国前日のシュノーケリングツアーでの報告です。
      
             
        参加者は私とアユの他に、夫婦で来られた日本人ダイバー1組と香港から来られた女性ダイバー1組
       の計6名でした。実はこのツアー、催行間際で大量キャンセルが出てしまい、一度は不催行になっていた
       のですが、残ったメンバーでボートをチャーターして行くことにしたのです。ダイビングセンターからモル      
       ティブ人のガイドが一人同行していました。
            

        ハニファルベイはここ数日たくさんのマンタが出ていましたが、この時は一枚のマンタが水深十数mの
       ところでゆっくりと回っている状態でした。透明度も悪くマンタは上がってこないので、ガイドがみんなの
       カメラを順番に預かり、素潜りでマンタの近くまで行き写真を撮っていました。

        *  ちなみに、アユのカメラでも「撮ってあげる」と言われましたが、アユのカメラではこの深度に
           耐えられないと思い断りました。    
       
       素潜りで写真を撮る・・・私にとってそれは、いつもシュノーケリング中にごく普通に目にする光景です。
       ところがそんな何気ない景色の中で、突然潜水事故は起きたのでした。
        

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        正確には私もアユもその時、何が起きたのかわかっていませんでした。と言うのも、透明度の悪い中
       で海底で回っているマンタを見ているうちに波酔いしそうになり、顔を上げてしゃべっていたからです。
        突然、一緒に参加していたメンバー達が慌てた様子でボートクルーに向かって 「Help!」 と叫び出
       しました。初めて異変に気がついて海底を見ると、先ほどまで写真を撮っていたガイドが、なんとマンタ
       の横でぐったりしているではありませんか。ボートクルーは少し離れた所にいて、何が起こったのかわ
       からないのかなかなかこちらにやってきません。ガイドが海底で気を失ってどれぐらいの時間が経って
       いるかはわかりませんが、もう一刻の猶予もないはずです。しかしながら私を含めて参加者の女性全員、
       とても素潜りで海底まで潜り、人一人を引き上げるなどとはとうていできない深さです。躊躇してお互い
       顔を見合わせていると、参加している中で唯一の男性が、意を決してまっすぐ海底まで潜っていきました。
           
        私達が不安一杯で見守る中、彼は海底までたどりつきガイドを抱きかかえると、途中まで潜って行った
       奥さんと協力して海面までガイドを引き上げることに成功しました。もう拍手ものの活躍ですが、今はそ
       んな余裕もありません。急激に浮上したせいか気を失ったガイドはアワを吹き、マスクの中は鼻血と
       吐しゃ物でピンク色に染まっています。
        ツアーのメンバーみんなでボートに向かい 「Help!」 と叫びながら手を振り続けると、ようやく事の重
       大さに気づいてボートが近くまでやって来ました。ちょうどこの時、ハニファルベイに他のリゾートのツアー
       ボートが到着し、乗っていたヨーロピアンのインストラクターも協力してくれて、ガイドを私達のボートに引
       き上げました。
       
        シュノーケリングツアーはもちろんその場で中止です。すぐに全員ボートに乗って、ドクターのいる近くの
       漁民の島へ移動します。ヨーロピアンのインストラクターも同乗し、親切にも付き添ってくれました。ボート
       の上はガイドの介抱であわただしく人が行き来していましたが、私は初めて目の前で起きた事故に呆然
       とし、自分達が持って来ていたタオルを提供する事ぐらいしかできませんでした。

        漁民の島に到着するとボートを波止場に横付けし、待機していたドクターとナースが乗り込んできました。
       ガイドの脈や血圧を測ったり、処置をしている間にようやくガイドも意識が戻ってきました。
        結局、ここでは十分な処置ができないということで、ドクター、ナースそしてヨーロピアンのインストラク
       ターが別のボートで、もっときちんと処置のできる施設のある島へガイドを連れて行き、私達は乗ってきた
       ボートでまっすぐリーティに戻りました。

        翌日聞いた話では、結局ガイドは命に別状はないものの肺の中に水が入り、一ヶ月程入院する事になっ
       たそうです。


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        ガイドの命が助かったと聞いてほっとしました。でももしあの時、誰一人潜って彼を引き上げることがで
       きなかったら・・・あと数分で彼は死んでいたのです。しかもよく海を知っているはずのガイドが!

        今回彼が陥った状況は、何度も長い時間息を止めることにより脳の酸素が欠乏して意識を失う「ブラッ
       クアウト」と言う症状だと思われます。以前から言葉自体は知っていましたが、まさか目の前で、こんなに
       太陽の差し込む明るい海底で楽しいツアー中に、一番頼りになるガイドの身に起きるとは思いませんでし
       た。普段何気なくシュノーケリングで水中写真を撮っている私達自身、もしもうちょっと深度が深かったら、
       もしもうちょっと体調が悪かったら・・・こんな事故に繋がらなかったとは言えないのです。

        南の島でのシュノーケリングはマーク家でも大きな楽しみです。そしてビデオや写真は旅行が終わって
       からも大事な想い出として、二度と得ることのない宝物です。でもその想い出がいつまでも輝いているよう
       決して悲しい想い出とならないよう、安全を常に考えておきたいと、もう一度強く思った経験でした。
       






      

                      
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